【それって先入観?シリーズ】第1弾

ネットやYouTubeで「アクティブファンドはインディックスファンドに勝てない!」って見たり聞いたりしませんでしたか?

その本当の情報について今回は深堀したいと思います。
この情報の出どころを知っていますか?

この話題が出たのは2017年10月のことでした。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが発表したこのデータを元に本や動画がたくさん作られて沢山の方がその与えられた情報を信じてしまったようです。
それ以来インディックス信者が急増してインディックスが勝者・アクティブが敗者のようなイメージをさせる情報が蔓延しました。

今回は、インディックスが良いとか悪いとかではなく、データの解釈で誤解したり偏ったり間違って拡散したりする現状をお伝えします。
判断はこの記事を最後まで読んでそれぞれが決めればいいことです。

世の中には情報の信ぴょう性を確認せずに、そのまま安易に伝達してしまうと恥をかきますからね。
これを読んだ方は恥をかかなくていいように情報をしっかり分析し咀嚼して使いこなしてください。

 

この図を見てください。
このデータをどのように捉えるかを考えてみましょう。

これを見た人が「アクティブファンドは6割以上負けている」と思おうのか?
それとも「インディックスファンドに3割以上勝っている」と思うのか?

この違いで見方が大きく変わってきます。
ここで分かりやすいように数で比較してみましょう。

現在の日本における売買されている投資信託の数が約5800本です。
そのうちのアクティブファンドは約5400本、インディックスファンドが約400本です。

そこで、インディックスファンドに勝っているアクティブファンドの数は全アクティブファンドの3割だとすると、
1600本を超えます。全インディックスファンドの4倍の数がインディックスファンドに勝っているのです。

この図の見方を変えると「アクティブファンドはインディックスファンドの4倍が勝っている」となるのです。

 

そのデータって最新?

もう一つの先入観が過去の都合のいいデータをいつまでも使っていることです。
このデータですら2006年から2016年までの10年間のデータです。
今から6年前のデータがどのくらい参考になるのか?

リーマンショック後の急成長した市場でのデータと、発表後のここ6年間の市場の運用状況は違う。
現在は成長も一段落してこの数年間ではインディックスファンドは苦戦している。

しかし、先入観は薄れていない「古いデータの伝達者」は未だにネットやYouTubeで「インディックスが最強です!」って言い続けています。

情報には必ず意図があり、その情報は都合のいいように加工されます。
それを見極まられる分析者がプロであり専門家と言われる人たちです。

残念ながら最近ではネットやYouTubeなどの影響でこのような情報に左右される方が多くなったように感じます。
何を信じるかは自由ですが、その情報の発信者の意図を考えて判断してください。

 

インディックスファンドの運用の実態は?

日本で一番人気があるインディックスファンドは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」

果たしてどのくらいのパフォーマンスがあるのか?
これだけネットやYouTubeでいいって言われているのでダントツのパフォーマンスだと期待している方も多いでしょうね。
2024年1月18日現在ではこのような順位になっています。
わかりやすいように沢山のファンドを取り扱っている楽天証券のランキングで見てみましょう。

値上り率でいうと670位、アセットクラスでは72件中24位
決してパフォーマンスは良くありません。それどころか、アクティブにこれだけ負けているのです。
新NISAだからといって期待しすぎるのもインディックスファンドは偏差値50ですから。

 

情報心理に操られていませんか?

ザイオンス効果

何度も聞かされると正しいと錯覚します。
特にネットやYouTubeで何回も見聞きすると正しいように思いこみます。


アナウンス効果

影響ある有名人や芸能人の発言が正しいと錯覚するしてしまいます。
その方々も専門家でない場合があるし、その人自身も情報に操られているのかもしれません。
または恣意的に情報を都合よく使っているのかもしれません。


プロスペクト理論

行動経済学で「人は損をしたくないという心理」が強く働くとの研究結果があります。
特に手数料やコストは損をするといった意識が強く働き、極端に避けようとします。
新NISAに依存している方にはこのようなプロスペクト理論に当てはまる人が多いようです。

これらが正しい資産運用の判断を妨害します

インディックスファンドとは

インディックスファンドとは、市場の平均を取っているファンドです。
なので平均より良いファンドもあれば悪いファンドもあります。
またタイミングの問題で、今は平均より悪いが将来も必ず悪いわけではありません。
環境に変化によって急成長する場合もあります。

インディックスファンドとは良いファンドでもなく、悪いファンドでもなく、偏差値50と思ってください。