【それって先入観？シリーズ】第２弾
「投資の基本は長期・分散・積立」このフレーズはよく聞きますよね。
最近の新NISAブームで基本よりも新NISAを優先して考える人が多くなっています。
ここで基本について考えてみましょう。
長期は誰でもわかるように長く運用するとリスクは軽減されてきます。
積立も一括での資産がない方は積立から資産づくりするしかないのでこれも理解できます。
この積立も時間の分散との考えも出来ますが、今回の分散は資産の分散です。
アセットアロケーションとは？
アセットアロケーションとはアセット（資産）アロケーション（配分）資産配分の意味です。
この資産をどのように配分するかによって将来の資産形成に大きな影響を及ぼします。
代表的な資産運用のクラスは「株式」「債券」「不動産」です。
これらはそれぞれにおいて市場で違う動きをしながら成長をしています。
しかも相関関係にあるのです。
相関関係とは、市場において同じ動きをしないことを意味します。
一般的には株式が上がれば債券が下落して、株式が下がれば債券が上昇する（必ずではありません）といったぐあいに相関性があります。
また、地域によっては先進国と新興国でも相関性が出る場合もあります。
では、そのタイミングは予測できるのか？
もちろん、将来を予測するのはどんな経済学者でも不可能です。
不可能なものをいくら予測しても不可能なのです。
それは過去にどんないいパフォーマンスを出しても未来は不確実なものです。
このように各アセットクラスにおいては毎年のように順位が入れ替わります。
新興国株式においては大きなサイクルで好調不調を繰り返しています。
また、日本株式は毎年のように上下を繰り返しジェットコースター相場と言われてきました。
この６資産の平均を取ったのが緑の６資産平均で赤色の線でグラフにしています、
相関関係が上手く効いていてリスクを調整しています。
S&P500やオルカンは分散投資ではない
S＆P500やオルカンと呼ばれている全世界株式（オールカントリー）だけでは分散投資にはなりません。
何故なら世界株式というアセットクラスに属しているので、この２つは同じ動きとなります。
債券や不動産などを組合わせないと分散投資にはなりません。
特にS＆P500は上位の数社で全体を占めています。この上位数社を除けば日本株よりパフォーマンスが下がります。
いつまでもこの上位数社が好調とは限りません。未来は不確定なものです。
オルカンも６割が米国株です。その米国株を占めるのが上位数社です。
なので、分散率は低く上位数社に依存しているのが現状です。
同じアセットクラス（世界株式）一択では分散投資の意味はないのです。
リスクが高く暴落時には損失も大きくなります。
ネットやYouTubeなどの情報を信用して暴落になって損失を出しても彼らは決して責任は取りませんので。
そうならないためにも「本当の知識」を知ることが大切です。
リバランスをしなければ分散投資の意味がない
分散投資はほったらかしでは効果は薄れてきます。
最適な資産の配分（株式・債券・不動産）の割合を最初に設定しても時が経つと比率が崩れてきます。
そこで定期的に元の比率に修正することが必要です。
その修正がリバランスです。
リバランスを行いことでリスクが修正されます。
リバランスを行わないと成長が大きい株式の占有率が増えてリスクは次第に大きくなってきます。
分散投資とリバランスはセットになっていると思ってください。
新NISAよりアセットアロケーション（資産配分）が最優先
新NISAよりも先にまずどのような資産配分で資産運用・資産形成をするのかが最優先です。
そこでインディックスファンドだとかアクティブファンドとか拘らずに最適なファンドを組合わせるのが重要です。
場合によってはインディックスファンドに債券ファンドや不動産ファンド（リート）が無い場合があります。
また新NISA対応ファンドは株式中心で債権や不動産（リート）が無い場合も多いようです。
新NISAに拘らずに、資産配分を優先して、新NISAで対応できるアセットクラスは新NISAで、対応できない場合は新NISA以外で対応してトータルでアセットアロケーションを適切に組み上げるのが資産形成の王道です。
もしネットやYouTubeなどの情報が正しければ政府の年金機構GPIFはS&P500とオルカンだけでよいとなるはずですが。年金機構GPIFの担当者に教えてやればいいのですが・・・そんなことすれば専門家から笑われますけどね。
しかし、個人ではそれが正しいと信じているのが現状です。
インディックスファンドって本当にいいの？
【それって先入観？シリーズ】第１弾
http://wealth-creation.co.jp/column20240118/