【それって先入観?シリーズ】第3弾

インディックスファンドは管理運用費用(信託報酬手数料)が安いので高いアクティブファンドのより運用が上回っていると誤解している人が多いようです。

実際にネットやYouTubeでも信託報酬を比較してそこだけでインディックスファンドが優位と断言しているのをよく見ます。

確かにインディックスファンドはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)でも年間で0.09372%です。
それに対してアクティブファンドのアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコースは1.727%です。
なんと約18倍です。

といった具合にこの手数料の差だけで比較している人も多いでしょうが、投資は手数料の差で比較判断するものではありません
成果はどのくらい増えたかで判断するものです

ご存じだと思いますが、この信託報酬などの運用費用は既に基準価額に含まれています
なので基準価額の騰落率で運用成果がはっきりと表れてきます。

わかりやすいのは、1年間にそのファンドがどれだけ増えたかを見るのも参考になります。
下のグラフで比較するとどちらがパフォーマンスが良いのか判断できるでしょう。

1ヵ月3ヵ月6か月1年
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)1.5%5.5%6.2%30.4%
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)1.5%5.8%7.1%34.6%
アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Bコース1.5%7.7%8.4%42.5%
2023年12月29日現在の騰落率

このようにインディックスファンドで人気のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)も2022年12月29日に100万円投資して1年後の2023年12月29日に100万円が304,000円増えて1,304,000円になりました。
100万円が1年で130.4万円になるのも凄いですよね。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も同じ期間運用したら100万円が134.6万円になります。

そこでアクティブファンドのアライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Bコースに同じ金額で同じ期間投資をしたら100万円が142.5万円になりました。
この時に運用費用(信託報酬手数料)は差引かれています。
オルカン(オールカントリー)と比べると12万5,000円もの差になります。

費用が安いからといってもパフォーマンスとは無関係です。
インディックスファンドは市場の平均を狙う偏差値50のファンドですから。
インディックスファンドよりパフォーマンスがいいファンドは1,000本以上ありますので。
(インディックスファンドって本当にいいの?【それって先入観?シリーズ】第1弾http://wealth-creation.co.jp/column20240118/を参考に)

なのでインディックスファンドにこだわる必要もなければ、アクティブファンドが絶対に優位だとは言いません。
大事なのは相関関係を持ちながら分散投資をしていくのが王道ということです。

 

なぜ手数料に人は敏感になるのか?

行動経済学のプロスペクト理論の中で「人は得をするよりも、損をしたくない思いの方が強い」と感じて合理的な判断が出来ないとの研究結果が出されています。
実際に無料だとか手数料0だとか税金とかにも強く反応する傾向にあります。

逆にその無料とか手数料、税金をキーワードにすれば関心が高まります。
それを活用しているのが「本」「新聞」「メディア」だったりしますが、
最近ではネットやYouTubeの影響が大きいようです。

共通点は「関心を湧かせる!」

そこに自分たちの都合のいい情報を組み込めば意のままに操れます。
その数が多くなれば信じてしまう傾向になります。軽いマインドコントロールになるみたいに。

資産運用においては運用成果が判断基準です。
決して手数料ではありません。

もし今より収入が数倍になるとしたらどうですか?
その時に収入が上がると税金も上がるから嫌だ!お金持ちにはなりたくない!って思いますか?
税金が高くなっても収入は増えて豊かになる方がいいと思いませんか?
手数料や税金に拘ると本当の資産運用の目的を忘れてしまいますので。

 

インディックスファンドって本当にいいの?
【それって先入観?シリーズ】第1弾
http://wealth-creation.co.jp/column20240118/

分散投資を理解している人は少ない
【それって先入観?シリーズ】第2弾
http://wealth-creation.co.jp/column20240119/