ゴールベース・アプローチ

ゴールベース・アプローチとは

投資・資産運用には目的をもって取り組むのと、何となく増えればいいのかな?みたいな感じで取り組むのでは成果に大きな差が出ます。
特に不得意な分野については「何となく」になり易い。

これは人生においても、仕事においても「目標」の大切さは今更言うことでもありませんよね。

ライフプランを考えるうえで教育・マイホーム・車・旅行・老後・起業などライフイベントにおいては常に「お金」が影響を与えます。
希望のプランに金額が届かなければ、そのプラン自体に変更が余儀なくされます。
夢や目標の実現においては計画がとても重要なポイントとなります。

ゴールベース・アプローチという言葉を聞いたことがありますか?
このゴールベース・アプローチとは、夢や目標(ゴール)の実現に向けてどのような資産づくりをしていくのか設計していく運用手法です。

例えば、
10年後にマイホームを持ちたいが、年齢やローン返済のことを考えてなるべく頭金を用意したい。
今の手持ち資金300万円を1,000万円ぐらいの頭金の準備を行いたい。

《プラン例1》
300万円を10年後に500万円にするには年利約5.2%で運用すれば達成します。
また、足らない分は積立投資を行います。
毎月3万円×10年を年率約6.3%で運用すれば500万に達します。
これで合計1,000万円のマイホームの頭金の準備が出来ます。

《プラン例2》
20年後の老後資金を2,000万円確保したい。
400万円を20年後に1,200万円にするには年利約5.6%で運用すれば達成します。
そして、積立投資も並行して行います。
毎月15,000円×20年を年率約4.8%で運用すれば600万に達します。
これで20年後に合計2,000万円の老後の準備が出来ます。

しかし、これらの長期運用に最も大切な要素を付け加えなければいけません。
それが「インフレ」です。
10年後や20年後に今の物価が全く同じとは考えにくいですよね。
そこで消費者物価指数(CPI)を上乗せします。

日本ではインフレターゲット(政府が目標とするインフレ率)を2.0%に設定しているが、今まではなかなか到達できなかった。
しかし、昨今の物価上昇や円安でCPIも上向きになっているようです。
平均として目標リターンに1.5%程度を上乗せするといいでしょう。

このように目標(ゴール)に合わせて「必要とする運用リターン」が個人個人それぞれによって違ってきます。
個々においては目標(ゴール)の金額・期間・リスクの許容度によって運用手法も違ってきます。

この基準になる個人個人の運用の目標値(ベンチマーク)を「パーソナル・ベンチマーク」といいます。

そして、このゴールベース・アプローチは運用を行いながら常に調整を行って、資産の置き場所をコントロールしていく新しい運用の手法です。
10数年前から米国や北欧での資産形成の代表的な運用手法であり、現在は米国や北欧の70%ほどがこのゴールベース・アプローチで資産管理を行っています。

もちろん、個人で出来るものではありません。
賢く資産づくりを行うためには、専門家の助言が不可欠になります。

日本においてはまだゴールベース・アプローチの考え方はほとんど浸透していません。
これは日本の金融関係のビジネスが販売手数料ベースになっている売り逃げ体質と金融リテラシーの低さが原因の一つだと思われます。

昨今では、金融に全くの素人や芸能人などが金融のリテラシーを高めるために動画やブログを発信しているが、とてもお粗末で間違った金融知識を植え付けています。
しかし、世間ではそれが正しいやり方だと誤解しています。
この状況だけでも金融リテラシーの低さがうかがえます。

こんな環境下では「顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)」が行えるわけではありません。
それに気づいた一般投資家は今の運用のやり方が正しいのかを考え始めるでしょう。

これからの日本もこのゴールベース・アプローチが間違いなく主流になることになるでしょう。

インディックスと自らの目標は違う

本や動画を見ると「インディックスに投資すれば間違いない」をいう文言が巷を制覇しています。
これについて言えば、正しくもあり間違いでもあります。

特に日本人は大衆心理に弱く
みんながやっているのであれば安心
みんながやっているのであれば正しい
たくさん情報があれば信用できる
有名人が言うと信頼する

など世界で稀に見る大衆バイヤスが強い国民性であります。
みんなと一緒が正しいといった教育を受けていた後遺症かもしれません。
個人というよりも集団を意識します。

なので、平均を気にしすぎます。

インディックスの考え方はこの「平均」をあらわす目安です。
人は平均と比べたがります。
平均より良いのか?または悪いのか?
これらで自分が行っている運用の良し悪しを評価します。

平均を意識しすぎると、相場がよくない場面でも平均に到達していれば良しとみなされます。
または「平均(インディックス)が下がったから仕方がない」を納得してしまいます。

しかし、私たちの夢や目標は「平均(インディックス)」で左右されたり、諦めたりするのでは夢や目標が市場の変化のせいで大きくブレます。

例えば、2008年のリーマンショックの時に夢や目標のゴールを設定していた人は、
教育資金が不足したり、住宅取得を諦めたり、老後資金が足らなくなったりゴールが大きく変化しました。

最近では、コロナショックやウクライナ侵攻等で株価が暴落になった時期に教育資金のために運用していた投資が目標額を下回ったとの事例も。

しかし、「市場の平均(インディックス)」なのでどうしようもないを諦めているしかないのです。
もし、ここでパーソナル・ベンチマークを目指していたなら市場の平均で下落に付き合わなくて済んだのかもしれません。

このように市場連動型(インディックス)は私たちでは何も防御することはできません。
夢や目標(ゴール)は決して市場平均(インディックス)に左右されてはいけません。

ゴールベース・アプローチパーソナル・ベンチマークは個人個人の夢や目標の実現を可能にする手法です。
インディックスのような乱暴な運用に任せるのは時にはリスクになるのかもしれません。

本当の金融知識を理解すれば、インディックスの良さと欠点がわかると思います。
巷では良さしか強調しませんが、欠点にも注意すべきです。

人はお金に関しては合理的な判断が出来ない


行動ファイナンスでは人がお金に関する様々なバイアスを研究し発表しています。
数年前には行動経済学でプロスペクト理論ダニエル・カールマンが「人は同じ規模の利得と損失を比較すると、損失の方が重大に見える」などを提唱しました。

ここで詳しくは延べませんが、人はお金に関しては常に合理的な判断が出来ないという脳構造になっているということです。
それは損したくないという願望と得したいという欲望が意思決定を間違った判断にしてしまうということです。

投資で勝ち続けることが難しいのはこの理論でも十分に理解できます。
一般の投資家がこの行動ファイナンスに打ち勝って、合理的な判断をして投資を行うことは非常に困難です。

個人とプロの運用会社との違いはこの合理性での判断です。
といってもプロの運用会社も人が行っています。なので完ぺきではありません。
しかしながら、個人よりも合理的に判断しています。

ゴールベース・アプローチでは、この合理的な判断での運用こそがパーソナル・ベンチマークを達成するカギとなります。
なので、資産管理が最も重要な役割を担います。

いかがでしたでしょうか?
ゴールベース・アプローチで運用をおこなってみませんか?
あなたの夢や目標の実現を可能のものにする手法は実はもう既に存在していたのです。
あとは、チャレンジだけです!

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